「3.9+5.1=9.0」問題から物事の本質を考えよう!

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「物事の本質を見抜く」、「物事の本質を極める」など日常的に触れる機会が多いですが、『本質』って一体何なんだろうと大人になってもふとわからなくなる瞬間があります。

そんなときに『本質』について改めて考えさせてくれた番組がありました。

それはTBS番組「林先生が驚く初耳学-2016年林先生が驚いた10大ニュースSP」で取り上げられた小学3年生の算数の問題「3.9+5.1=9.0」の答えについてです。

まずはこの問題の流れを紹介し、それからテレビで数学者の森重文氏の考えを共有し、物事の本質について考察したいと思いますね。



「3.9+5.1=9.0」問題の概要

2016年の11月頃にとある方のTwitterで投稿され話題になったこの「3.9+5.1=9.0」問題。

「3.9+5.1=9.0」は一見すると正しい回答のように思えますが、この方のツイートによるとこの答えは間違えで「0」を消して「9」が正しい答えだとされ、減点させられたということになっています。

 

私は最初にこのことをニュースで知ったときあまり意味が分からず「こんなのどっちでもいいじゃん」などと思ったのですが、これが日本全国を巻き込む大きな騒動になってしまいます。

脳科学者でお馴染みの茂木健一郎氏は自身のブログでこの問題について触れていました。

昨日、小学校の算数のテストで、「3.9+5.1=9.0」と書いたら、減点されたというツイートが流れてきて、とてもびっくりした。これははっきり言って一種の子どもに対する「虐待」である。これ以外にも、小学校の算数には謎の奇習があると聞く。
引用元:小学校の算数にまかり通っている「奇習」は、子どもたちに対する「虐待」である-茂木健一郎オフィシャルブログ

 

茂木さんをはじめ多くの方がこの問題について取り上げているのですが、なぜ減点されたのかその詳細がわからないことにはここまで大きな問題になっている意味がわかりません。

そこで、なぜこの問題が日本の算数教育に危機感を与えるようなことになっているかを知るために詳細について調べてみました。すると、以下の理由で減点になったということが判明しました。

 

ゼロをそのままにしておくと「90」と間違える生徒がいるので、「0を消させる」必要があり、またゼロだけを消すと「9.」という小数点だけを残すという「ルール違反」になるので、念のために「小数点も消させる」というのが真相なのだそうです。

つまり「3.9+5.1=」という筆算をやらせた結果「90」や「9.」と答えてしまう誤答が増えた結果として、これを防止しなくてはならない、そのような教育現場の切羽詰まった状況が背景にはあるようです。
引用元:「3.9+5.1=9.0」が、どうして減点になるのか?-ニューズウィーク日本版

要するに書き間違えを防ぐためにこういった教育が行われたという背景があるのですね。
そう捉えると、あながち「9.0」が減点されるのもわからなくない気もしてきます。

 

他にも掛け算の順序を守り、「2×3=6」は正解だけど「3×2=6」は間違いというように文章問題などでは順序を逆転させた式を減点することもあるようですし、直方体の面積を求めるときに「縦×横×高さ」の習った教え方で解答しないと減点されるということもあるようです。

答えが合っていればいいと思いますし、先生の言われた通りにやるのが正しいようにも思います。
ただ確実に、そのことを考えていけばいくほど「物事の本質」というものからかけ離れてしまうようなことが起きている気がします。

 

その問題に終止符を打つにふさわしい人が「林先生が驚く初耳学」で放送されていました。



「3.9+5.1=9.0」に対する数学者の答えと物事の本質

「初耳学」では『数学者がこの答えを言えばグウの音も出ないだろう」ということで、数学者の森重文氏に取材をして林先生と対談する様子を放送していました。

ちなみに森さんは数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞を獲得された方で、林先生の高校の先輩だそうです。

 

森さんの答え(考え)は以下のようでした。

「もし最初に『出来るだけ簡潔な表現をしろ』という条件が入っていれば『9.0』を減点することはあり得る。けど、僕の感覚ではそれはない、減点はしない」

 

つまり、『どちらでも良い』という答えが森さんの判断のようです。
世界的数学者が言うのなら納得できますね。

この答えを聞いて『条件を入れるならば』という言葉を聞いたときに、「あぁすごいなー、そうやって考えるんだー」と勉強になりました。

この問題については決着がついたと言っていいでしょうね。

番組では先ほどの体積の問題についても話していて、そこでも計算式の順序はどちらでも良いということを話していました。
簡単に言えば「掛け算の順番はどう書いても減点すべきではない」ということだそうです。

2017年からの教育現場はこれで変わるかもしれませんね。

 

すごく納得のいく話を知れたのですが、私がこのブログで話したかったテーマは「3.9+5.1=9.0」問題ではないのです。
『物事の本質』とはなんなのかということが知りたくてこの話題を取り上げたのですね。

 

この話題を取り上げたのは『物事の本質』をわからなくしている原因が「形式美や慣習の力にある」と話した林先生の言葉が印象的だったからです。

林先生のこの考えに森さんも「教える方に自信がないと形式を整えたくなるかもしれない」と話していたことに対しても、学のない私でさえも共感できました。

 

「掛け算の順番はどう書いても減点すべきではない」という本質は「どの順番でかけても体積は変わらない」ということにありますから、それが理解できていれば順番はどのようでも良いということなのでしょう。

小学生にはその本質をまだ理解できないと考えているから順番を守らせているのかもしれませんが、形式やルールばかりに目がいってしまい、結局意味のないルールに縛られているのが問題だとしているのかもしれません。

 

何か目的を達成するためにはプロセスが大事ですが、あくまでもそれは結果をだすための手段であって、プロセスに変なこだわりを作る必要はないのですね。

普段通りやってもいいし、別の方法でやりやすい方法やもっといいやり方があるのなら、違うやり方を尊重したり、受け入れることが必要なのかもしれません。

 

小学生のうちから物事の本質を理解できるようになれば、大人になってから論理的な思考力を持ちながら柔軟な発想をする人材になれたのかなと思います。

 

「3.9+5.1=9.0」問題から日本の教育が変われば良いですね。

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