
乳酸菌が豊富でお腹の調子を整えてくれることでたくさんの人が食べることを習慣化しているヨーグルト。
一昔前のヨーグルトといえばパックの蓋の裏にべったりと中身がついていることがあり、子供の頃はその部分を舐めていたなんて人もいたと思います。
ですが、最近のヨーグルトは蓋につかないものが目立っています。
なぜこのようなことが可能になったのでしょうか。
ヨーグルトが蓋につかなくなった理由
販売されている全てのヨーグルトの蓋の裏に中身がつかないというわけではありませんが、東洋アルミニウムが世界で初めて蓋の裏にヨーグルトがつかない商品を開発したと言われています。
なぜ蓋の裏にヨーグルトがつかないのかというと、蓋材の内側の面がデコボコになっていることが理由として挙げられます。
見た目ではわかりませんが、顕微鏡で確認するとデコボコしているのが確認できるようですよ。
どうしてデコボコにするとヨーグルトがつかないのかというと表面張力が関係しています。
水は平らな面では横に広がりますが、デコボコした面に落ちると表面張力が働いてその場に留まることができなくなるのですね。
ヨーグルトは当然水分も含まれていますから、蓋の裏にひっつこうとしてもその場に留まらずに流れてしまうということになります。
すごいアイデアですよね。
開発の原点はハスの葉
表面をデコボコさせることでヨーグルトが蓋の裏につかないということを開発するなんてすごいアイデアですが、このアイデアを思いついた裏側にはハスの葉が関係していると言われています。
なぜハスの葉が開発の原点だと言われているのかというと、実はハスの葉は水をはじく性質を持っているのですよ。
ハスの葉には水滴が残らないのですが、葉の表面を顕微鏡で拡大して見てみると、やはり表面にデコボコがあるのですね。
実際にヨーグルトを垂らしてみたところ、ハスの葉は水と同じようにはじいたので、この原理をヨーグルトの蓋に応用したのです。
ちなみに、ハスの葉は群馬県伊勢崎市にある東洋アルミニウム工場の前に生えていたものらしく、実際にそこに生えているハスの葉を研究の材料として使用したとされているのですね。
そのときに開発のきっかけとなったハスの葉はいまでも開発者のデスクの近くに飾られていると言われていますよ。
開発の原点はハスの葉で、身近なものがヒントになっているというのは誰の身にも生まれそうな気がしてなんだか素敵ですよね。
この技術はヨーグルトの蓋以外にも開発を進めているらしく、今後はケチャップの容器に使用することを検討しているようです。
ケチャップはいつも中に残ってしまってもったいない気がしていますので、早く商品化されるといいですよね。