
高級焼肉店やテレビ番組などでよく目にするA5ランクのお肉。
なんとなくA5だからいい肉質のものなんだろうと思いがちですが、実はA5ランクの「A」の部分の意味は肉質とは全く関係ありません。
そもそもアルファベットと数字にはどんな意味があるのか、なぜA5ランクと表現するのかについて説明していきますので、疑問に感じた方はご覧になってください。
A5ランク肉の意味とは?
牛肉というのは世の中に15種類あるとされています。
A1~A5があるのはご存知の方も多いと思いますが、実はB1~B5、C1~C5というランクも存在しているのですね。
そこで気になるのがアルファベットの意味と数字の意味です。
アルファベットのABCは歩留(ぶどまり)等級、数字の1~5は肉質等級を意味しているのですが、アルファベットは消費者には関係ありません。
歩留というのは簡単に言えば一頭の牛から取れる肉の量のことを言い、Aは肉付きの良いもの、Bは標準のもの、Cは肉付きの悪いものという意味で、業者の方が取引をするときに必要な目安なのですね。
私たちに関係しているのは数字の1~5で肉質のいいものが「5」で肉質が悪いものが「1」と言うように決められています。
ちなみに、肉質がいいというのはサシの入り具合などを基準に決められているのですが、お寿司で言うところの大トロか赤みかと言ったところでしょうか。
「5」の方が肉質がいいから美味しいというイメージはありますし、実際美味しいことは間違いないのですが、それが自分の好みかと言われるとそうとも言い切れないのですね。
質がいいから美味しいというのは間違いありませんが、好みとなると基準が違う。
可愛くてスタイルのいい二重の女性に憧れはあるけれど、彼女にしたいのはぽっちゃりして一重の女の子がいいみたいな感じですかね。
なぜA5ランクと表現するの?
A5ランクのお肉だけでなくB5やC5などのお肉もあることが分かりましたが、ここで一つ疑問が生まれます。
食べる側、消費者にとっては「A」「B」「C」のいずれかでも肉質は変わらないわけですから、特にアルファベットをつける必要はなく、そのまま「5」ランクと表現してもいいわけですよね。
それにも関わらず、なぜA5ランクと表現するのでしょうか。
この店について焼肉店の方にインタビューしてみると、A5と表現したほうがイメージがいいからということが関係しているそうですよ。
お肉を扱っているわけですから、当然「A5」の意味は理解しているわけですが、「C5」と表現するよりは「A5」と表現したほうがなんだかいい肉なんだと思いますから、あえてA5ランクと表記して提供しているそうです。
確かにCよりもAの方がいいイメージがありますからね。
つまり、A5ランクと表現した方が私たちが勝手にいい肉だと思い込んでいるだけということになります。
きっと『ただ「5」と表現するよりも「A5」って表現した方がいい肉と思うはずだ』と、こんな風に仕掛けたお肉屋さんがいたのでしょうね。
その戦略に見事に洗脳されたということが言えるかもしれません。
まぁ、結局いい肉を食べられるのには変わりありませんので、気にすることはないですね。