
野球でチームの柱となるピッチャーのことをエースと呼びます。
漫画にも「ダイヤのA(エース)」という人気漫画があるようにチーム一番いい投手のことをエースと呼ぶのは周知の事実ですよね。
ところで、なぜ一番いい投手のことをエースピッチャーと呼ぶようになったのかその名前の由来について知っていますか?
トランプのAが由来になっていると思っていたのですが、実は別の由来が有力なのですよ。
エースピッチャーのエースの由来
エースピッチャーのエースの由来は諸説ありますが、最も有力なのは人物名だとされています。
野球大国と言えばアメリカですが、そのアメリカ野球の初期の頃に活躍した選手に“エイサ”アサヘル・ブレイナードという投手がいました。
もともと野手だったのですが、チームメイトの死をきっかけに所属チームのピッチャーを務めるようになったのです。
非公式ではあるものの1869年には全69試合で65勝を上げる活躍をし、この活躍からいい投手のことを「エイサのようだ」と形容されるようになったそうですよ。
ブレイナードのニックネームの「エイサ(Asa)」からもじって「エース(Ace)」と呼ばれるようになり、そのチームで一番優れている投手をエースピッチャーと呼ぶようになったのですね。
それが、いつしか他のスポーツにも使用されるようになり、それぞれのスポーツでエースナンバーが存在するとなったのが「エース」の由来だとされています。
トランプのAの由来
エースピッチャーの由来がブレイナードのニックネーム「エイサ」が由来だということはわかりましたが、トランプにもA(エース)があります。
となると、トランプのAの由来はどうなっているのかが気になるところですよね。
トランプのA(ace)は古フランス語の「一単位」を意味する「as」が由来とされています。
トランプ用語として使われる前はもともとサイコロの1の目を意味していたのですが、最も小さい目という理由から「不運」の意味だったとされていました。
けれども、トランプゲームで最も役の高いカードとして使用されることになってから「特上の」という意味で使用されるようになっていったとされています。
つまり、エースピッチャーのエースとは語源が違うということですね。
ただ、先ほどスポーツのエースはブレイナードが由来だとされる説が有力と言いましたが、同じスポーツでもテニスのサービスエースの由来はトランプから来ているとされています。
これはあくまでも推測ですが、人物に関するエースはブレイナードが、技能に関するエースはトランプが由来となっているのかなと思います。
エースピッチャーは人物であり、優れた技能も持ち合わせているためにちょっとした混乱や勘違いが生まれたのかもしれません。
いずれにせよ、エースというのは秀でたものであるということがわかれば由来や語源は重要ではないのかなという気もしますね。
スポーツにおけるエースナンバー
スポーツにはエースナンバーと呼ばれる番号があります。
例えば、高校野球では1番がエースナンバーとされますが、これは投手の守備番号が1番であるからレギュラーピッチャーを表す1番がエースナンバーとされているのですね。
これが大学野球になると11番や18番がエースナンバーだとされる大学もあります。
理由の一つとしては大学野球では1番がキャプテンの番号になるので、10番台にエースナンバーを置いているということが言われています。
プロ野球でも11番や18番、左のエースは47番などと言われたりしますが、これはその番号をつけた選手が活躍したことがきっかけになっているようですね。
つまり、チームによってエースナンバーは違っているということになります。
また、サッカーでは10番がエースナンバーとされていますが、こちらも人物が関係しているとされていますよ。
サッカーにおいて10番がエースナンバーとされたのはサッカーの王様ペレが10番をつけてワールドカップで活躍したことが理由の一つとされています。
その後、ジーコやマラドーナなどの選手がその地位を確立したとされているのですね。
サッカーにおいても活躍した人物の番号がチームのエースナンバーになることが多く、オランダではヨハン・クライフがつけていた14番が、マンチェスター・ユナイテッドではベッカムやC.ロナウドがつけた7番がエースナンバーとされています。
番号にこだわる選手もいますが、それはそのチームの伝統が関係しているからなのでしょうね。
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