
シンデレラは誰もが知っている童話ですが、明治時代はおしん物語というタイトルで、主人公の名前もおしんだったのはご存知でしたか。
100年以上前は日本風シンデレラとして高等小学校の教科書に掲載されていたのですが、話の内容がちょっと違っていて意外と面白いのですよ。
明治時代のシンデレラ「おしん物語」の内容
明治時代はまだ西洋の文化が日本に根付いていなかったので、日本風のものが身の回りにあったそうですが、それは教科書の内容にも反映されていたみたいですね。
1900(明治33)年の教科書に掲載されたシンデレラはとても日本風で、内容も若干違うので不思議な感じがするのですよ。
例えば、タイトルにもあるように主人公シンデレラの名前はおしんとなっていますが、それ以外にも、ガラスの靴が「扇」に、魔法使いは「弁天様」、王子様は「若殿」となっています。
改めて名前って世界観を決める大事な役割を果たしているのがわかりますね。
ちなみに、内容としては本来「夜中の12時に魔法が切れてしまうから、急いで舞踏会を後にするシンデレラのガラスの靴が脱げてしまって、その靴の持ち主を探す」という感じになっていますが、おしん物語はちょっと違います。
「夕方6時に魔法が切れてしまう」「扇の絵に描いてある『白波に菊の模様』を言い当てて持ち主だとわかる」など日本風になっていますよ。
言葉だけではわかりにくいですし、ぜひ現代歌舞伎の演目で演じて欲しいですね。
参考元:高等小学校の国語 シンデレラは「おしん」だった-朝日新聞
日本の名作ドラマ「おしん」との関係は?
「おしん」という名前を聞くとあのNHKドラマを思い出す人がいるかもしれません。
そこで、あの「おしん」と関係があるのかについて調べてみたのですが、特に関係性はないみたいです。
ドラマ「おしん」の脚本は「渡る世間は鬼ばかり」でお馴染みの橋田壽賀子さんですが、先ほどの朝日新聞の参考元で本人が関係ないと否定している文があったのでオリジナルということになります。
「おしん」は「しん」という人物名から付けられたタイトルと予想できるので、人の名前として共通点があっただけのようですね。
橋田先生はおしん物語との関係はないと話していましたが、「渡る世間は鬼ばかり」は「渡る世間に鬼はなし」ということわざが関係していますし、ドラマも無慈悲な人が周りにいるということわざとは反対の意味の内容のドラマになっています。
おや、「おしん物語(シンデレラ)」も「おしん」も貧しく苦労している描写がありますし、全く関係ない、影響を受けてないと言ったらどうなんだろうと思ってしまうかもしれませんね。
ただ、どちらの作品も完結していますし、高い評価を得たドラマですから、今更いろんなことを蒸し返しても誰も得しませんね。
「そんなこと(いまさら)言ったってしょうがないじゃないか」
の精神で飲み込みましょう。
そういえば「渡鬼」のえなりさんの役名は小島眞(こじましん)だそうです。
まさかの「おしん」ですね。笑
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